寒い冬でもスムーズに快眠!就寝前は身体を温めながらストレッチ

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寒い冬でもスムーズに快眠!就寝前は身体を温めながらストレッチ
ついに本格的な冬の到来。その寒さに日中は体が縮こまり、夜には寝つきが悪くなりがちなのも冬ならではの悩みです。そこで今回は、就寝前におすすめのストレッチをご紹介!

教えてくださるのは、『松浦整形外科内科』の院長・井上留美子先生。井上先生は整形外科医として患者さんに寄り添う一方、ヨガにも精通。

医学とヨガの観点から、おすすめのストレッチはもちろん、ストレッチがもたらす睡眠への効果についても解説いただきました。
   

ストレッチに欠かせない“呼吸”が入眠をスムーズに

ストレッチとは、筋肉を伸ばす運動のこと。適切なストレッチは筋肉の柔軟性を高め、ケガの予防やリハビリに用いられるほか、さまざまな効果が認められています。

「整形外科医の視点からお伝えすると、ストレッチは関節、ひいては体を正しく使うために取り入れるべき運動。
人間は年を重ねるごとに関節が硬くなり、変形していきますが、これを予防するには柔軟性のある筋肉が必要です。
“人生100年”とも言われる現代。長く元気に自分の足腰で立ち、活動するために効果的な運動だと考えます」

井上先生は「筋肉の役割のひとつは、関節を支えること」と指摘。

関節を支える筋肉が硬くては、関節の可動性も低下してしまいます。日々のデスクワークにより、猫背の姿勢が常態化している人が少なくない昨今。背中の筋肉が硬くなると背骨にある関節の動きまで鈍くなり、将来的に猫背以上に背骨の曲がった“亀背”になる恐れも高まるそうです。

また、以前にもご紹介したように、ストレッチは寝つきを良くするにも効果的。

人間は体の内部の温度を指す「深部体温」の低下とともに眠くなりますが、深部体温の低下は体の末端、つまりは手足からの放熱によって起こります。ストレッチをすると血流が促進されることから手足が温まり、深部体温を下げるための放熱がされやすくなるのです。

「適切なストレッチには呼吸が欠かせません。放熱による深部体温の低下のみならず、呼吸も寝つきを良くすると考えられます。

なぜなら、息を吐くという動作は副交感神経を優位に働かせるから。副交感神経が優位に働くと血圧や心拍数が低下し、リラックスした状態になります。

呼吸と副交感神経の関係も、スムーズな入眠に影響しているのではないでしょうか」

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“息を吐く”ことに意識を集中!副交感神経を優位に



では、スムーズに眠りにつくためには、どのようなストレッチが効果的なのか。井上先生は就寝前におすすめのストレッチのポイントとして、以下の4つを提示してくれました。

・体を冷やさず行うこと
・大きな筋肉を動かすこと
・負荷をかけすぎないこと
・丁寧に呼吸をすること


「筋肉は温かい状態のほうが伸びやすい性質を持つため、体を冷やさずに行うことが効果的。そして、大きな筋肉を伸ばすほうが、負荷をかけず、よりストレッチの効果を得られます。
また、体を冷やさないことが重要な一方、体が熱くなるようなストレッチは推奨できません。
体温が高くなってしまうような激しい運動は交感神経を優位にさせるため、眠りには逆効果です」

交感神経と副交感神経はシーソーのような関係にあり、副交感神経が“休息の神経”なら、交感神経は“活動の神経”です。

交感神経は本来、日中の活動時に優位に働くべきもの。しかし、寝る前に激しい運動によって血圧や心拍数が上昇すると交感神経のスイッチが入り、睡眠に必要な副交感神経の働きが鈍ってしまうのです。

「細かな数字を挙げるなら、目指すべきは深部温度が0.5℃上昇するくらい。
0.5℃程度の上昇であれば、血圧や心拍数は上がりにくい、といったデータがあります。汗ばむほどの運動では、深部体温が0.5℃よりも上がってしまいます。
つまりは、体を冷やさない環境をつくり、負荷はかけすぎない。体がポカポカする程度のストレッチがおすすめです」

また、副交感神経を優位に働かせるため、ストレッチ中は呼吸を丁寧に行うこと。

特に息を吐くときに意識を集中し、「4秒かけて吸い、8秒かけて吐く」と良いそうです。これが難しい人も意識的な呼吸を重ねるうちに、徐々に出来るようになりますよ。


 

ヨガのポーズも!就寝前におすすめのストレッチを紹介

井上先生が挙げるポイントを意識しながら、負荷をかけず、ストレッチの効果を得られる大きな筋肉として代表的なのが、太ももの前面に位置する「四頭筋」、お尻の付け根からひざ裏の周辺まで広がる「ハムストリングス」、上半身と下半身をつなぐ「腸腰筋」の3つ。

では、それぞれの筋肉にアプローチするストレッチをご紹介します!

 

四頭筋のストレッチ



①床やベッドにお尻を着け、左足を正座するように曲げる。
②左足は前に伸ばし、頭を床やベッドに着けて上半身を寝かせ、深く呼吸をしながら12秒ほど右四頭筋を伸ばす。
③これを逆の足でも行う。


 

ハムストリングスのストレッチ



①床やベッドにお尻を着け、両足を伸ばす。足は閉じていた方がベターですが、開いてもOK。
②両足を伸ばしたまま、上半身をできるだけ前方に屈める。


 

腸腰筋のストレッチ



①体育座りの状態から、右足を右側に倒す。
②左足は後方に伸ばし、力を入れずに上半身を前方に倒していく。
③これを逆の足でも行う。



「なかでも『腸腰筋のストレッチ』は、ヨガで“ピジョンのポーズ”と呼ばれています。ストレッチのポイントである呼吸は、ヨガにおいても基本中の基本。

心身の安らぎを与えてくれるヨガですが、そのリラックス効果には医学的にも納得できる要素が多くあります。

その1つが、まさに呼吸。ぜひ、呼吸を意識してみてください」

体に負荷をかけすぎないためにも就寝前にはどれか1つ、もっとも気持ち良いと思えるストレッチだけでもOK!

目安はストレッチをしながら「4秒かけて吸い、8秒かけて吐く=計12秒」の呼吸をベースに3セット。

トータルで約30秒程度となり、低負荷を維持できます。

 

就寝前も起き抜けも手軽に“布団の上”でストレッチ!



井上先生が教えてくれたポイントをきちんと意識してこそ、スムーズな入眠に向けた効果が高まります。

しかし、そこで悩ましいのが、「体を冷やさずに行うことが大切」ということ。

ストレッチをしているうちに、次第に体がポカポカしてきますが、冬の寝室はひんやり。特に冷え性の人は筋肉が硬い傾向にあるため、ストレッチの効果が得られにくくなります。

「特に冬場は床も冷たいため、入浴後の体が温まっている状態や、ホットカーペットなどのうえで行うのもおすすめ。
また、おやすみ前にベッドやお布団の上でストレッチをしても構いません。ご紹介したストレッチはどれもお尻を着いた状態で行うため、不安定な姿勢にはなりません。
就寝の直前に伸びをするような感覚で、ストレッチをしてみてください」

nishikawaではベッドのマットレスやお布団に重ねて使用する、「Healthyon(ヘルシオン)」や「ローズテクニー」といった温熱マットをラインアップしています。

温熱マットがあれば、ひんやりした冬でもポカポカ。温度調節もできるため、体温を上げすぎることのなく、程良い温かな環境を簡単につくることができリラックスもできます。


ヘルシオンDC



ローズテクニー

また、冬の寒さは寝つきの悪さだけでなく、目覚めのコンディションにも影響します。

寒いとお布団から出たくなくなるのは、誰もが一緒。そんなときにも、まずはストレッチ!起き抜けのストレッチは、井上先生が患者さんにも推奨されていることだそうです。

「関節痛をお持ちの人にとって、もっとも痛みを感じるのが寝起きのタイミング。
寝ている間は身体の動きが抑制されるため、関節の可動性がより低下してしまうのです。
健康な人であっても、睡眠中に体の動きが抑制されるのは同様です。
バンザイのように手を上に伸ばす程度でも十分なので、起き抜けに軽いストレッチをすると体がすっきりします」
 
***

就寝前のストレッチとは反対に、起き抜けのストレッチに意識的な呼吸は不要。

活動の始まりである朝は、交感神経を優位に働かせなくてはいけません。そのためには「朝日を浴びることが大切です」と井上先生。

朝日を浴びると体内時計がリセットされ、副交感神経から交感神経への切り替わりがスムーズになります。

そして再び夜を迎えたら、おやすみ前には呼吸を意識しながらストレッチ。スムーズに眠りに就き、すっきりと目覚める好循環が、健康的な毎日につながります。
 

松浦整形外科内科 院長

井上留美子先生

“医療法人社団成東会松浦整形外科内科院長。整形外科ヨガ事務局代表。東京都杉並区に「松浦整形外科内科」を開業した父の跡を継ぎ、同院院長に。対話を重視した診療・治療を続ける傍ら、予防医学としてのヨガに着目。整形外科理論に基づいたヨガインストラクターへの運動器の指導を開始し、2017年に「整形外科ヨガ事務局」を設立、代表を務める。

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