2023年11月24日 カテゴリ:眠り

枕選びのポイントもレクチャー!専門医が解説する「枕と美容」の深すぎる関係

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枕選びのポイントもレクチャー!専門医が解説する「枕と美容」の深すぎる関係


今、スキンケアにこだわる人がジェンダーレスに増え、ケア用品の機能や成分も進化の一途をたどっています。しかし、美肌と枕が切っても切れない関係にあることを知っている人は、そう多くないかもしれません。

その関係について教えてくれるのは、大阪医科薬科大学皮膚科学教室の森脇真一先生。皮膚科の専門医として、nishikawaが“美容睡眠”をコンセプトに商品開発を手掛け、今年の夏に大幅リニューアルした<newmine>シリーズの監修もされています。

専門医の視点から、美肌と枕の関係はもちろん、美肌のために押さえておきたい、枕選びのポイントを伺いました。
 

 

“肌のゴールデンタイム”が美肌のカギ!

眠れない、眠りづらいといった状態は美肌の天敵。美しく、健康な肌を維持するためには睡眠が欠かせません。

「私たちの皮膚は紫外線や花粉に大気汚染、化粧による負担といった外的要因のみならず、心身のストレスや食生活からも影響を受けます。そして、こうした皮膚のダメージがリフレッシュされ、修復されるのは、主に睡眠中なのです。睡眠時間が不足していては、ダメージの修復も追いつきません。睡眠不足は肌荒れの大きな原因になるのです」

森脇先生が指摘する“美肌と睡眠”の関係は、研究データからも明らか。成人に推奨される睡眠時間は7〜8時間程度ですが、これが4〜5時間程度の場合、皮膚ダメージを修復するための働きが低下。肌が乾燥しやすくなり、肌荒れが起きやすくなるといいます。

「修復機能をしっかり働かせるには、質の高い睡眠をとることも重要です。なぜなら、皮膚のダメージが活発に修復されるのは入眠後の約3時間。入眠から約3時間は“肌のゴールデンタイム”とも呼ばれ、ダメージ修復に必要な成長ホルモンが盛んに分泌されます。寝つきが悪かったり、眠りが浅かったりすれば、このゴールデンタイムに支障が出ます」

成長ホルモンとは皮膚の生まれ変わり、つまりはターンオーバーを促進させる物質。以前は午後10時から午前2時の間が成長ホルモン分泌のゴールデンタイムとされていましたが、より研究が進んだ今、森脇先生が指摘する「入眠後約3時間」が定説です。

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意外と盲点!枕の高さや圧力が首や頬のシワの一因に



美肌のためには入眠からスムーズに、ぐっすりと眠ることが大切。ここで、ぐっすり眠るために必要なのが、睡眠の相棒である「枕」です。宿泊先の枕に眠りづらさを感じてしまうのは、その枕が自分に合っていないから。質の高い睡眠をとるには、自分に合った枕選びが欠かせません。

「ご自身に合った枕を選ぶことは、質の高い睡眠によって皮膚のダメージ修復機能を正常に働かせることのみならず、若々しい印象を保つための寝姿勢にもつながります。枕が低かったり高かったりすると眠りづらさを感じますが、実はこの窮屈な姿勢が、首のシワの一因になります。窮屈な姿勢によってシワが寄り、それが固定されてしまうのです


nishikawaの店舗では、理想の枕の高さを詳しく測ることができます

窮屈さを感じづらく、体に負担の少ない寝姿勢とは、真っ直ぐに立ったときの姿勢を横になってもキープできている状態。背中から首筋、後頭部にかけて生じるS字カーブのすき間が埋まるような高さの枕を選ぶと、理想の寝姿勢を維持しやすくなります。オーダーメイド枕はもちろん、高さを調節できるシートやパイプが付属した枕もおすすめです。

「また、個人の好みがあるにせよ、硬い枕はあまりおすすめできません。枕の役割は、睡眠中の頭を支えること。頭部の重みを枕に預けているようなものですから、枕に接している肌にも当然、圧力がかかります。特に横向きに寝ている場合、その圧力が頬にかかり、やはりシワの原因になるほか、フェイスラインの崩れにもつながってしまうのです」


newmine 頬にやさしい美容まくら

この圧力を軽減するには、肌にやさしくフィットする枕を選ぶこと。森脇先生が監修された<newmine>の枕は、頬が当たる部分に溝を設けたチークポケット構造を採用。このポケットが頬にかかる圧力を分散させ、寝返りを打ったときにもやさしくフィットします。
 

寝返りの摩擦による“見えない傷”から肌の水分が蒸発!

美肌のために押さえるべき枕選びのポイントは、理想の寝姿勢を維持できる高さと、睡眠中の肌にかかる圧力を軽減できる構造です。そして、枕選びと同時に見落とせないのがピローケースの選び方。ピローケースによって、肌の状態は大きく左右されます。

「肌に直接触れるのは、枕を包んでいるピローケースです。私たち人間は生理現象として寝返りを打つため、そのたびに肌とピローケースの間に摩擦が生じますが、この摩擦が皮膚へのダメージを引き起こします。摩擦が生じると、皮膚の表面に目には見えない小さな傷が付きます。この傷から皮膚内部の水分が蒸発し、肌荒れの原因になるのです」

私たちの皮膚の表面はレンガ塀のように層を成し、外的刺激から肌を守ったり、ウイルスや細菌といった異物の侵入を防いだりしています。これは皮膚のバリア機能と呼ばれますが、バリア機能は皮膚層のひとつである角層に水分がたっぷり含まれていてこそ、正常に働きます。水分の蒸発を招く摩擦は、バリア機能の正常な働きを損なわせるのです。

「皮膚のバリア機能を正常に働かせるため、特にうるおいの不足しがちな乾燥肌の人には摩擦係数の少ない、なめらかな肌触りのピローケースを選ぶことを推奨します。また、皮脂の多いオイリータイプの人なら、抗菌加工のされたピローケースもおすすめ。オイリータイプの人は皮膚に雑菌が繁殖しやすい傾向にありますが、これを軽減してくれます」

森脇先生のご指摘のとおり、皮膚に繁殖する雑菌も美肌の天敵です。オイリータイプの人もそうでない人も、ピローケースのこまめな洗濯が大切。肌と直に接するアイテムである以上、ピローケースは下着と一緒。洗い替え用を用意し、1日ごとの洗濯が理想です。「眠りのレシピ」では、少なくとも3日ごとの洗濯をお勧めしています。


敏感肌・乾燥肌タイプにおすすめの「newmine モイスチャータッチピローケース (シルクサテン)」

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美肌と枕、ひいては美肌と睡眠の関係が、ご理解いただけたのではないでしょうか?

“肌のゴールデンタイム”としてご紹介した成長ホルモンだけでなく、私たちに眠気をもたらし、“睡眠ホルモン”と呼ばれるメラトニンも、実は美肌のために必須の物質。森脇先生は「メラトニンは強い抗酸化作用を持ち、皮膚の老化を防ぎます」と指摘します。

メラトニンを活発に分泌させるには、朝日を浴びることが大切!適切な睡眠時間を確保し、質の高い睡眠をとることはもちろん、睡眠のリズムを整えることも美肌を育むのです。
 

森脇真一先生

大阪医科薬科大学皮膚科学教室 教授

森脇真一先生

大阪医科大学(現・大阪医科薬科大学)医学部卒業後、浜松医科大学皮膚科学講師・助教授を経て現職。遺伝性の皮膚疾患から美容皮膚科学まで幅広い領域にて皮膚疾患を研究するとともに、色素性乾皮症患者家族の集いなどの社会活動も行う。また、美容皮膚科学に精通した専門医の観点から、nishikawaの<newmine>ブランドではプロダクトの監修も担う。

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